アジア欧州会議(ASEM)開幕、ミャンマー情勢も協議

 アジアと欧州の53か国・機関で構成するアジア欧州会議(ASEM)の首脳会議が11月25日、オンラインで始まった。多国間主義の強化が主要テーマで、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で低迷する経済の立て直しに向け、アジアと欧州の連携強化策を2日間にわたって探る。クーデターで権力を握った国軍による市民弾圧が続くミャンマー情勢など、地域問題でも活発に意見が交わされそうだ。  新型コロナをめぐっては、経済的混乱を最小限にとどめるには感染を抑え込む必要があるとの認識で一致する見通し。会議では感染拡大で生じた貿易障壁の削減や、ワクチンの開発と製造、分配での国際協力をうたう声明を採択する。  ミャンマーでは2月1日のクーデターから10か月近くが経過しても、事態打開のめどが立っていない。会議を総括する議長声明の草案は、ミャンマー情勢に「深い懸念」を表明。ミャンマーに東南アジア諸国連合(ASEAN)の合意事項である特使受け入れを迫るとともに、対話や和解を呼び掛けている。会議ではこのほか、北朝鮮の核開発問題、中国による軍事拠点化が進む南シナ海情勢をめぐっても議論する。  今年はASEM設立から25年の節目。2年ごとにアジアと欧州で交互に行われる首脳会議は前回、2018年にブリュッセルで開いた。今回の会議は昨年11月にプノンペンで開催予定だったが、新型コロナの感染拡大に伴い延期されていた。(時事通信社提供)