ミャンマー国内で陽性患者が急増、2日間で96人の新型コロナウイルス感染を確認
ミャンマーの保健・スポーツ省は、5月26日~27日にかけて1,788の検体を検査し、96人の新型コロナウイルス感染が確認されたと発表した。5月28日にEleven Mediaが報じた。 これによると、保健・スポーツ省管轄の研究所で検査された463の検体のうち10検体、私立病院などで検査された188の検体のうち1検体、州や地方の病院で検査された30の検体のうち14検体、州や地域の保健局で検査された563の検体のうち71検体の感染を確認した。 ミャンマーでは現在までに14万3,414人が感染し、13万2,269人がすでに退院している。
日本ミャンマー協会の常務理事、英字誌に衝撃投稿
日本ミャンマー協会の常務理事・事務総長の渡邉祐介氏が、英字誌の『The Diplomat』に寄稿し、国軍寄りで欧米批判とも言える内容が物議を醸している。 5月26日に掲載された投稿によると、ミャンマー国軍は「将来の民主主義を望んでいる軍事政権としては稀な存在だ」とした。また、アウン・サン・スー・チー氏がミャンマーにおける中国の浸透を許した張本人だったと断罪し、ミン・アウン・フライン国軍最高司令官の一連の行動を擁護した。 さらに、欧米諸国による圧力については「民族的反乱軍(少数民族武装勢力)への軍事支援と同一」と見なしている。その上で、日本は欧米諸国など民主主義諸国との間で架け橋になるべきで「自由で開かれたインド太平洋に奉仕するミャンマーの軍政を導くという歴史的な使命を実現しなければならない」と独自の主張を展開した。 「日本ミャンマー協会」は元郵政大臣の渡邉秀央会長が率いる一般社団法人で、2012年に設立。副総理で財務大臣の麻生太郎氏が最高顧問を務めており、商社や金融、ゼネコンなど日本を代表する企業137社が会員になっている。渡邉祐介氏は渡邉会長の息子で、親子でミャンマー国軍と太いパイプを持つと言われている。
WHO総会に軍評議会の代表者が出席できず
国連・世界保健機関(WHO)の総会に軍評議会の代表者が出席できず、保留扱いとなっていることがわかった。The Irrawaddy Burmese Editionが5月27日に伝えた。 WHOの年次総会は5月24日から6月1日まで開催されている。軍評議会は保健・スポーツ省中央感染症防止局のドクター・キン・キン・ジー局長を総会に出席させるためWHOに申請していたが、民主化勢力が設立した国民統一政府(NUG)側も別の代表者の出席を申請しているため、保留扱いとなったという。 NUGの人権問題担当のアウン・ミョー・ミン大臣は「NUG代表の出席が認められなかったが、軍評議会の代表者が認められなかったことは我々の勝利ともいえる」と話している。
仏石油ガス大手のトタル、ミャンマー事業の株主配当を中止
フランスの石油天然ガス開発大手のトタルは5月26日、ミャンマーにおける石油天然ガス事業の株主配当を中止すると発表した。Eleven Broadcastingが5月27日に伝えた。 トタルの発表によると、同社は米国の石油天然ガス開発大手のシェブロンと共にミャンマー・モッタマ湾沖のヤダナー油田において天然ガスの産出事業を行っているが、同油田から産出された天然ガスを輸送するパイプラインを管理運営する「モッタマ・ガス・トランスポーテーション(MGTC)社」の株主配当を中止することがわかった。配当中止は4月1日に遡って適用される。 MGTCの持ち株比率は、トタル:31.24%、シェブロン:28.26%、タイPTTEP:25.5%、ミャンマー石油天然ガス公社(MOGE):15%で、MOGEへの配当が軍評議会の資金源になっているとの批判が起きていた。トタルは、今回の配当中止により軍評議会に流れる資金を遮断できると発表している。
【動画】連日途切れないATMの行列
ある朝6時のMyanmar Plaza前。座っている者もいれば、食事をしている者も。名前が貼り付けられたプラスチック椅子が置かれた様子も確認出来る。行列の先には、ATMがある。 クーデター以降、2月中旬から3月初旬までは銀行窓口が閉まっててもATMでは簡単に現金が引き出せた。しかし、3月1日に中央銀行が出金について50万Ks(およそ33,000円)に制限された。4月2日にモバイル通信が遮断されたことでネットバンキングやモバイル決済が使用できなくなり、あらゆる支払いに関して現金が必要になった。 Radio Free Asiaのインタビューに対し、市民は「今日は夜中の2時に家を出たが、すでに80人ぐらい居た。外出禁止の時間帯なので、移動中の警察によるチェックが怖いが、現金を引き出すため仕方がなく来た」と述べた。 しかし、これは賭けとも言える行動で、空になったATMに必ず現金が補充されるとは限らない。ある市民は「9時~10時に銀行員がATM機械にお金を入れた時は、宝くじにあたったより嬉しかった。しかし、正午まで待ってもATMに現金が補充されなかった日は絶望した」と語った。 現金引き出しのブローカーも増えているという。ネットバンキングで送金し、そのブローカーが引き出した現金を受け取る方法で、手数料は7%から12%といわれる。
タイ警察がミャンマーへの武器密輸を摘発、拳銃などを押収
ミャンマー・タイ国境のメーサイ市内でタイ警察が5月27日、ミャンマーへの武器の密輸出を摘発したことがわかった。DVB Burmese Newsが同日伝えた。 タチレク・メーサイ国境のタイ側ゲートでタイの税関職員が不審な荷物を積んだハイラックス・ピックアップトラックの検査をしたところ、ライフル銃14丁、ピストル13丁、各種弾丸46,375発が発見された。トラックにはタイ山岳民族証明書を所持しているタイ女性とミャンマー国籍の男が同乗しており、タイ警察、入国管理局、税関、国境警備隊の合同チームが2人の身柄を確保し取り調べを行っている。 2人の自供によると、一人あたり2万バーツの報酬でメーサイからミャンマー国内に持ち込む仕事を依頼されたという。