ASEAN特使、月末にもミャンマー再訪
東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国カンボジアのフン・セン首相は5月2日、クーデターで実権を掌握したミャンマー国軍のミン・アウン・フライン総司令官とオンラインで会談し、ASEANのミャンマー担当特使を務めるカンボジアのプラク・ソコン外相を今月末にもミャンマーに派遣する考えを伝えた。 ASEANは昨年4月、ミャンマーへの特使派遣で合意、今年3月にプラク・ソコン氏が特使として初めて訪問した。しかし、国家機密法違反などで訴追され、公判が行われているアウン・サン・スー・チー氏らの国軍と対立する民主派との面会は実現しなかった。 カンボジア政府によると、フン・セン首相は総司令官に対し、特使のミャンマー再訪への協力を要請。「スー・チー氏を含む全当事者と面会する重要性」を強調した。総司令官は特使と関係者の面会の実現に協力する姿勢を示したという。 (時事通信社提供)
ENEOS、ミャンマー天然ガス事業から撤退発表
ENEOSホールディングス(HD)は5月2日、子会社のJX石油開発が参画しているミャンマーのイェタグンガス田での天然ガス事業から撤退すると発表した。4月29日付で他の共同事業者に撤退を通知しており、ミャンマー政府の承認などを得た後に正式決定する。 同事業にはJX石油開発と三菱商事、日本政府が出資するJXミャンマー石油開発が約19.3%の権益を保有し、2000年にガス生産を開始していた。JX石油開発は、同国における社会課題への対応を含めた現下の情勢と事業性などを検討・協議し、撤退を決定した。 ENEOS HDは、本件による連結業績への影響についてミャンマー政府による承認後に確定するとしたうえで、現時点では軽微と説明した。
マレーシア国営石油とタイ政府系、ミャンマー沖ガス事業から撤退
マレーシア国営石油会社ペトロナスとタイ政府系の資源開発大手PTTエクスプロレーション・アンド・プロダクション(PTTEP)は4月29日、ミャンマー南部沖にあるイェタグン天然ガス田事業から撤退すると発表した。 ペトロナス社は「石油業界を取り巻く環境の変化やエネルギー転換の加速化を踏まえた資産合理化戦略」、PTTEP社は「国のエネルギー安全保障を支援するため、事業を再編する資産運用管理の一環」とそれぞれ説明した。 イェタグンガス田の権益は、ペトロナス社が40.9%、PTTEP社が19.3%を保有している。このほか、国軍の統制下にあるミャンマー石油ガス公社が20.5%、日本の共同出資会社が19.3%の権益を持っている。共同出資会社に出資している三菱商事や、傘下のJX石油開発が参画しているENEOSホールディングス(HD)も撤退の方針を表明している。 ミャンマーでは、クーデターで権力を握った国軍に利益を供与することになりかねないとの懸念から、撤退する外国企業が相次いでいる。(時事通信社提供)
軍評議会トップ、タタールスタン共和国大統領と会談
軍評議会トップのミン・アウン・フライン総司令官は4月28日、ミャンマー公式訪問中のロシア連邦タタールスタン共和国のルスタム・ミンニハノフ大統領とネピドー市内で会談を行った。国営新聞Myanma Alinnが伝えた。 会談では、ミャンマー・ロシア間の外交関係と友好親善関係の深化、製鉄・鉄鋼業、重化学工業、製薬、観光分野での経済協力の強化、軍人・民間人のロシアへの留学などについて協議が行われた。会談には在ミャンマー・ロシア大使も出席したという。 ミン・アウン・フライン総司令官は昨年6月にタタールスタン共和国を訪問し、兵器産業や軍用ヘリの製造工場などを視察した。
人民元建て銀行口座の開設を許可、輸出入業者に
ミャンマー・中国国境貿易の輸出入業者に対して人民元建て銀行口座の開設が許可された。ヤンゴンを拠点とするローカルメディア「BETV Business」が4月28日に伝えた。 軍評議会傘下のミャンマー中央銀行は、ミャンマー・中国国境貿易の決済に米ドルを介さずチャットと人民元で直接決済できるようCB銀行、ユナイテッド・アマラ銀行、ミャンマー経済銀行それぞれのムセ支店で、人民元建て銀行口座の開設を許可した。中国側は、中国工商銀行(ICBC)、中国銀行(香港)が指定銀行として選定された。 人民元建て口座の開設には、会社登録証、会社定款、取締役リスト、輸出入業ライセンス、代表者のIDカードなどの書類提出が必要。為替レートは、ムセ貿易市場の実勢レートに基づき1日3回発表される。
ヤンゴン国際空港、抗原迅速診断検査(RDT)実施へ
ヤンゴン国際空港において、新型コロナウイルス抗原迅速診断検査(RDT)がまもなく実施される。軍評議会 保健省のテッ・カイン・ウー大臣が発表したもので、国営新聞Myanma Alinnが4月29日に伝えた。 発表によると、RDTは検査から15~30分で結果が判明し、入国手続きの迅速化が図られるという。検査料金は、ミャンマー国内通貨のチャットで支払う。 ヤンゴン国際空港では4月17日から商業便の離発着を2年ぶりに解禁した。25日までに4,412人が商業便により入国したが、空港における検査で15人に陽性反応が確認された。また、同期間中の救援便による入国者は990人で、6人に陽性反応が確認されているという。
軍評議会、輸出収益を銀行に預け入れない177社に対し処罰
軍評議会 商業省は4月27日、定められた期限内に輸出収益を銀行に預け入れなかった177社に対し、輸出ライセンスを取り消したと発表した。DVB Burmese Newsが伝えた。 軍評議会傘下のミャンマー中央銀行(CBM)は2021年11月10日付通達で、輸出品の船積み日から3か月以内に輸出代金を回収しミャンマー国内の銀行にドル建てで入金するよう命じたが、現在に至るまで守られていないという。 また、CBMは口座に入金された外貨について、経済特区の企業やミャンマー投資委員会(MIC)が認可した事業などの例外を除き、1営業日以内に自国通貨のチャットに両替するよう民間銀行に対し命じている。