ミャンマーのクーデターから8か月、国連が国際社会に行動訴え

 2月1日のクーデターから8か月となるミャンマーでは、国軍による市民弾圧が続いている。人権団体によると、死者は1140人を突破。バチェレ国連人権高等弁務官は国際社会に対し「手遅れになる前に、民主主義の回復と紛争拡大回避への取り組みを倍加させるべきだ」と訴えている。  バチェレ氏は9月下旬の国連人権理事会会合で、国軍は抗議行動の鎮圧に殺傷力の高い武器を用い、医療従事者も標的にしていると非難。拘束者を暴行し、飲食や睡眠をさせないなどの拷問を加えていると指摘した。  ミャンマーの人権問題を調べる国連のアンドルーズ特別報告者によると、国軍は指名手配者の行方がつかめない場合、その家族を拉致しており、1歳8か月の幼児も連行したケースもあった。また、300万人以上が人道支援を緊急に必要としているという。  ミャンマーをめぐっては、東南アジア諸国連合(ASEAN)が4月の首脳会議で暴力の即時停止や特使派遣で合意した。欧米は国軍への制裁を段階的に拡大している。しかし、バチェレ氏によると国軍に人権侵害を停止する兆候は見られない状況で、特使の派遣時期も固まっていない。アンドルーズ氏は「国際社会の取り組みは機能していない」と懸念を表明。「市民は以前にも増して国際社会の強力かつ組織的な行動を必要としている」と述べ、制裁強化などの措置を促した。(時事通信社提供)