シンガポールのリー首相、ミャンマー軍に特使との協力促す

 シンガポールのリー・シェンロン首相は10月26日、オンラインで開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議で演説し、ミャンマーの軍当局に対してASEANが展開する和平交渉の一環として派遣された特使と「完全かつ迅速に」協力するよう求めた。シンガポール最大の日刊紙Straits Timesが27日に伝えた。  リー首相は、ブルネイの第2外相であるエルワン特使が調停を促すためミャンマーの関係者と接触できるようにすることを含む、ASEANによる既存の和平合意の実施について「進展が遅れている」と指摘。「このことはミャンマーの人々と、ルールに基づく組織としてのASEANの信頼性に深刻な影響を与える」と訴えた。また、「我々はミャンマーの状況を引き続き懸念している」と述べ、「シンガポールは、積極的、平和的、建設的な方法でミャンマーを支援するASEANの取り組みを強く支持する」と強調した。  一方でリー首相は、ASEAN加盟国は災害管理に関するASEAN人道支援調整センターを通じてミャンマー国民が必要としている人道的支援を継続すべきだと主張。「我々はこれまでも、これからも、地政学的な緊張や大国間の競争など、困難な課題に直面していく。これらの課題に効果的に対応する必要がある」と述べ、「ASEANはオープンで包括的な地域構造の中心としての役割を維持しなければならない」と訴えた。(時事通信社提供)