JETRO STREAM~日系企業動向、ミャンマーの新潮流を読み解く~

コロナ禍の対応等に関する法務・労務・税務・会計ウェビナーを開催 ~テクノロジーの進歩を実感~  ジェトロ・ヤンゴン事務所は5月26日、ミャンマーにおけるコロナ禍の対応等に関する法務・労務・税務・会計の一問一答型ウェビナーを開催しました。  ジェトロ・ヤンゴン事務所にとって、ウェビナーは初めての試みで、当初、通信回線の安定やZOOM ウェビナーのシステムがうまくいかなかったらどうしようかといった不安がありました。3時間に亘るウェビナーでしたが、通信回線(MPT を利用)も問題なく、国内外から参加した215名に対して、事業を実施することが出来ました。数年前のミャンマーの通信事情では考えられなかったことですが、今やミャンマー発の様々な情報発信・イベントがテクノロジーの進歩と共に可能となったことに隔世の感があります。 在ミャンマー日系企業の関心事  本ウェビナーは、在ミャンマー日系企業から法務・労務・税務・会計に関する個社の質問を事前に受け付け、ジェトロの「中小企業海外展開現地支援プラットフォーム・コーディネーター」として活躍されている4名の士業系専門家が事前に調べ、参加者全員の前で回答する形をとりました。そのため、本ウェビナーでは、他社(匿名)の質問や悩みを共有し、ミャンマーで事業を行う上での新たな気付きや法的知識、留意点等を知ることが期待できます。  今回、事前に集まった75の質問に対して、専門家により順々に回答していきましたが、分野別の内訳は、法務13、労務32、税務・会計27、その他4のそれぞれ質問が寄せられました。コロナ禍の対応ということで、労務問題に関する質問が多く、日本に一時退避した日本人駐在員のビザの延長方法やレイオフに向けた解雇補償金の支払い基準、ミャンマー法に基づく休業制度の導入など、喫緊の課題ばかりが集まりました。  法務については、各種プロジェクトの遅延が予想される中、不可抗力条項(ForceMajeure)の適用基準や当局による感染予防査察を行わなかった時の罰則規定、さらには移動販売車でのお弁当販売の法的手続きなどがありました。  税務・会計については、電子署名の有効性や給与の過払いに対する従業員の確定申告の方法、前渡し支払い時の商業税や業務委託契約に係る印紙税の取り扱いなど、様々な質問が寄せられました。 2020年度は大企業からの相談も受付  本ウェビナーに参加が出来ず、興味のある方がおりましたら、ジェトロ・ヤンゴン事務所までお気軽にお問合せ下さい。ウェビナーの内容を共有致します。  また、中小企業海外展開現地支援事業は、従来、国の予算制度により中小企業が対象でしたが、2020年度は、コロナ禍の対策として大企業も対象となりました。これを機に是非、ご相談下さい。お待ちしています。 (2020年7月号掲載) 田中一史(たなか かずふみ) 日本貿易振興機構(ジェトロ)ヤンゴン事務所長。主にアジア経済の調査や企業の海外展開支援業務を担当。海外勤務は、マニラ事務所調査ダイレクター、サンフランシスコ事務所北米広域調査員、バンコク事務所次長を歴任。2017年12月より現職。

太陽光発電計画の入札、応札期限が1か月延長に

 電力・エネルギー省は、太陽光発電計画の入札に関し、応札期限を当初の6月18日から7月17日に1か月延長した。7Day Dailyが伝えた。  入札は5月18日に開始され、締め切りが6月18日となっていたが、新型コロナウイルスが世界的に感染拡大している中、1か月の準備期間では短すぎるとして欧州商工会議所、米国商工会議所などから入札期限を延長するようミャンマー政府に要請していた。このプロジェクトは、現在行われている地方農村電化プロジェクトの小規模太陽光発電とは異なり、発電された電力が全国送電網(ナショナル・グリッド)に供給されることで注目され、インド、韓国、米国、欧州の企業が関心を寄せているという。  電力・エネルギー省によると、発電能力が30~50MWの太陽光発電所を2025年度までに30か所建設する計画があり、マグェー管区:6か所、マンダレー管区:5か所、バゴー管区:7か所、ザガイン管区:4か所、ヤンゴン管区:1か所、ネピドー連邦領:3か所、エーヤワディ管区:4か所となっている。入札の落札者は商業ベースの発電が実現した日から20年間、政府が買電を保証するBOO方式の事業権を取得する。