「民主派と共闘、年内にも攻勢へ」KNU幹部インタビュー

 ミャンマー国軍と戦闘を続ける少数民族武装勢力のひとつ、カレン民族同盟(KNU)の国際部門責任者ソー・トー・ニー氏(58)がインタビューに応じた。国軍と対立する民主派が創設した「人民防衛隊」との共闘を進めており、年内にも国軍に対して攻勢に転じたいとの考えを示した。  KNUは、タイとの国境に近い東部カイン州などを拠点としている。ソー・トー・ニー氏は、東部では「毎日のように戦闘が起きている」と語り、住民は周辺のジャングルやタイに避難せざるを得ない状況に追い込まれていると訴えた。  KNUの元には「医師や看護師、弁護士、教師などさまざまな職業の若者が戦うために集まってくる」という。人民防衛隊に登録していれば「KNUが軍事訓練を施し、自衛方法を指南している」と明かし、「訓練を受けた防衛隊員が地元に戻り、さらに仲間に伝授している」と語った。  ソー・トー・ニー氏は「国軍がクーデターを起こし市民を弾圧した1988年は、抗議行動が2~3か月で収まった。今回は各地で不服従運動やデモ、ストが続いている」と反国軍のうねりの大きさを強調。また、多数派のビルマ族と少数民族の連携も見られ、反国軍派の結集が進んでいると指摘。現時点では戦力は国軍に及ばないものの、「年内により多くの人が(反国軍派に)加わるだろう」と述べ、勝利に自信を示した。  一方、重火器による国軍の攻撃で、住民に大きな被害が出ていると懸念を表明。国際社会に対し「武力介入は一切不要だが、飛行禁止空域と安全地帯、住民の避難や支援物資の搬送に活用する”人道回廊”の設置に協力してほしい」と訴えた。(時事通信社提供)