なるほど! 納得!! ミャンマー法 ~駐在弁護士が気になる“あれこれ”を解説~

ミャンマーでどうやってブランドを保護するか?(1)  10月1日から、ミャンマー知的財産庁のソフトオープンとして、新商標法での商標の優先登録の出願が始まりました。既に商標を使用している証拠(通常は、旧制度の①Registration Office での登録と②新聞広告の商標警告)を添付して、優先登録の出願をすることができます。  では、DICA で会社名(支店名)を登録していれば、その会社名について更に商標登録をすることは不要でしょうか。  商号(Trade Name)は、あるビジネスを他のビジネスと区別することができる名称(nameor denomination)をいい、例えば会社名などがこれに該当します。  他方で、商標は商品・サービスについて、他人の商品・サービスとの区別を可能にする標章(mark)をいい、商品・サービスの名称やロゴマークがこれに該当します。  確かに、会社法では、以下の会社名の登録はできないこととされています。 ①既存の法人が既に登録した名称と同一の名称 ②既存の法人が既に登録した名称と類似する名称(欺く意図、その他誤解を生じさせ、混同を生じる可能性があるもの)  しかしながら、会社名を登録していても、同一の名称を商品・サービスに付する権利まで独占することはできません。  そのため、同一の名称を付した商品・サービスが現れて、消費者が貴社の製品と混同することを防止するためには、商標登録を行っておく必要があります。 商標と商号の主な違いは以下の通りです。 (2020年12月号掲載) 甲斐史朗(かい ふみあき) TMI総合法律事務所パートナー(ミャンマー担当)。日本国弁護士。早稲田大学政治経済学部政治学科、ロンドン大学LLM卒業。2015年1月よりヤンゴンオフィス駐在。 TMI総合法律事務所 +95(0)1-255-047 弁護士約420名、弁理士約80名を擁する日本の五大法律事務所の一つ。 ミャンマーには、日本の法律事務所として最初に進出し、2012年にヤンゴンオフィスを開設。