「少数民族和平の推進強調」軍評議会トップ、民主派との連携けん制

 ミャンマー国軍のミン・アウン・フライン総司令官は、1月1日付の国営紙に掲載された新年のメッセージで、「国の平和と安定のため、少数民族と協力を続ける」と強調し、少数民族武装勢力と和平を進める考えを示した。クーデターで権力を握った国軍に対抗する民主派と一部武装勢力の共闘を抑え込む狙いとみられる。

 総司令官は「民主主義の道の確保に向け、平和と安定に取り組んできた」と主張。抵抗する市民を武力で弾圧した国軍の対応を正当化。「国軍は常に国と少数民族の利益に尽くしてきた」と訴え、「今年は平和の回復へ新たな歩みを始めなければならない。全当事者に安定した国造りへの参加を求める」と促した。

 国軍は昨年12月下旬、少数民族武装勢力との戦闘が続く東部カヤー州で住民やNGO職員ら35人以上を殺害するなど弾圧が続いている。ミャンマーの人権団体である政治犯支援協会(AAPP)の発表によると、昨年2月のクーデター以降に殺害された市民は1,393人に達している。(時事通信社提供)