クーデターに抗議しCDMに参加する国軍兵士、警察官が2,500人に
市民不服従運動(CDM)に参加している国軍兵士、警察官が2,500人に達していることが明らかになった。Radio Free Asiaが9月2日に伝えた。 CDMに参加する警察官により設立された「CDMミャンマー警察チャンネル」によると、少佐クラスの士官を含む国軍兵士1,500人、警察官1,000人が軍評議会に背きCDMに参加しているという。 国民統一政府(NUG)のドゥワ・ラシー・ラ大統領代行は8月23日に「国軍兵士や警察官の多くは何が正しく、何が間違っているかを判断できる良識がある人たちだ。CDMに参加する国軍兵士と警察官には家族の生活、安全、年金を保障し、連邦国軍が創設された際、重要ポストを与える」と呼びかけた。
全土停戦協定は消滅、KNU顧問グループが発表
ミャンマー最大の少数民族武装勢力であるカレン民族同盟(KNU)の顧問グループは9月2日、ミャンマー政府および国軍と調印した全土停戦協定(NCA)は完全に消滅したと発表した。Radio Free Asiaが同日伝えた。 発表によると、KNUは国内平和の実現と連邦国家の樹立に向けてミャンマー政府と全土停戦協定に2015年10月に調印したが、2月1日に起きた国軍クーデターは全土停戦協定の精神に反するもので、これにより全土停戦協定は完全に消滅したとKNU顧問グループのノー・シー・ポー・ヤー・セイン元議長が発表した。 ノー・シー・ポー・ヤー・セイン元議長は「国軍はクーデター後に市民を虐殺し、政治家、政党関係者、メディア、活動家を次々と逮捕・拘束し、少数民族の実効支配地域を攻撃している。このような状況では全土停戦協定を基に真の連邦国家を実現することは不可能だ。我々は連邦議会代表委員会(CRPH)や国民統一政府(NUG)の方針を支持する」とコメントしている。
漢方薬をコロナの予防・治療に活用、軍評議会・保健省
軍評議会・保健省は、ミャンマー伝統漢方薬を新型コロナウイルスの感染予防および治療に活用するための研究を開始すると発表した。国営新聞Myanma Alinnが9月3日に伝えた。 新型コロナウイルスの感染予防薬および治療薬の開発研究を行うための会議が9月2日に行われ、保健省のテッ・カイン・ウイン大臣、エー・トゥン副大臣、国軍製薬研究所のチー・ミィン准将、漢方薬科大学のテイン・ゾー・リン学長などが出席した。 テッ・カイン・ウイン大臣は「ミャンマーでは昔から感染症の治療のために伝統漢方薬が使用され効果が出ていた。漢方薬医学全書にも掲載されている。新型コロナウイルスの感染予防や治療にこの技術を応用して薬を研究し開発してほしい」と訓示した。
英国、武器商人のテー・ザ氏とトゥー・グループに経済制裁
英国政府は9月2日、ミャンマーの武器商人であるテー・ザ氏とトゥー・グループに対して経済制裁を科すと発表した。Radio Free Asiaが同日伝えた。 これによると、テー・ザ氏と当人が経営するトゥー・グループはミャンマー国軍に武器を輸入し納入しているため、英国内にある資産を凍結し英国への入国を禁止した。テー・ザ氏は旧軍事政権時代から国軍幹部と太いパイプがあり、2017年のロヒンギャに対する掃討作戦で大量の武器を調達し人権侵害に加担していると英国政府が非難していた。 9月に開催される国連総会で、英国はミャンマーに対する武器輸出禁止をすべての国に訴えるとしている。
ザガイン管区の酸素ボンベ工場、長雨で工事に遅れ
ミャンマー北西部のザガイン管区ホマリン郡に建設中の酸素ボンベ工場が予定を過ぎても竣工せず、工事進捗率が30%にとどまっていることが明らかになった。国営英字紙Global New Light of Myanmarが報じたもの。 この工場は、新型コロナウイルス感染者の急増を受けて7月31日に着工。工期を1か月と見込んでいたが、予想以上の長雨の影響で工事が大幅に遅れている。工場の建設費は2,500万~4,000万Ks(およそ170万~270万円)で、関係者は今月15日に完工すると期待を示した。 同郡で製造できる酸素ボンベは1日当たり20本のみ。他郡から12本供給されているが需要に追いついていないという。(時事通信社提供)
民族政党が批判「2年後に政権移譲するとの約束は信用できない」
暫定政府の首相で国軍トップのミン・アウン・フライン最高司令官が2年後に総選挙を行い政権を委譲すると約束したが、民族政党はこれに対して「信用できない」と批判した。Radio Free Asiaが9月1日に伝えた。 シャン民族民主連盟(SNLD)のサイン・レイッ事務総長は「1990年の総選挙でNLDが大勝したが、憲法を制定するのが先との口実を作り政権を委譲しなかった。2020年の総選挙でもNLDが大勝したが、選挙に不正があったと口実を作り選挙を無効にした。2年後に総選挙をすると言っているが、彼らにとって都合のよい政権でなければまた口実を作って約束を反故にするだろう」と語っている。 ミン・アウン・フライン最高司令官はクーデターから3か月となる8月1日に「2023年8月末までに総選挙を行い、選挙に勝利した政党に政権を委譲する」と発表している。
コロナ感染者数40万人超え、デルタ株感染者も15人を確認
ミャンマーにおける新型コロナウイルスの累計感染者数が40万人を超えたことが明らかになった。暫定政府・保健省が9月1日に発表したもの。国営新聞Myanma Alinnが2日に伝えた。 発表によると、8月31日午後8時から9月1日午後8時までに3万9,461人の検体を検査したところ、3,358人に陽性反応が確認された(陽性率は8.5%)。新たな死者数は101人で、死者数の累計は1万5,490人。9月1日現在のミャンマーにおける累計感染者数は40万2,640人となっている。 また、暫定政府・保健省は8月31日付で、新型コロナウイルスのデルタ株への感染者が15人確認されたと発表した。内訳はネピドー:5人、ヤンゴン:2人、マンダレー:2人、シットウェー、タウングー、ラショー、モーラミャイン、カレー、モンユワ:1人。