内務省副大臣で警察総監の弟が拷問で死亡

 国軍の最高意思決定機関である国家統治評議会(SAC)が任命した内務省副大臣で、警察総監も務めるタン・ライン中将の弟が、警察隊により拷問を受け死亡したことがわかった。Radio Free Asiaが5月25日に伝えた。  調べによると、拷問を受け死亡したのはタン・ライン中将の実弟ソー・モー・ラインさんで、バゴー市内で22日にボランティア活動を行っていたところを警察隊により逮捕・拘束。24日早朝、妻のムーヤーさんに夫が死亡したことが伝えられた。妻は遺体の引き取りを要求したが、警察隊は遺族の許可なく遺体を焼却したという。  ソー・モー・ラインさんは1988年民主化運動に参加、全ビルマ学生民主戦線(ABSDF)に参加した。91年にアウン・サン・スー・チー氏がノーベル平和賞を受賞したことを受け、これを支持するデモを主導したとして懲役15年の刑を受けている。10年間の服役後、恩赦により釈放されバゴー市内で国民民主連盟(NLD)と共同で地方観光業振興事業に尽くしていた。  政治犯支援協会(AAPP)によると、クーデター以降に警察隊により拷問を受け死亡した市民は21人いると発表している。

スー・チー氏が特別法廷に出廷、クーデター後初めて姿を見せる

 ミャンマー国軍により軟禁下に置かれているアウン・サン・スー・チー国家顧問が5月24日に行われた特別法廷に出廷し、2月1日のクーデター後初めて姿を見せた。Radio Free Asiaが5月24日に伝えた。  特別法廷の前に5人の弁護団との接見が30分許可されたが、接見の内容や裁判の詳細は明らかにされなかった。特別法廷ではアウン・サン・スー・チー国家顧問のほかにウィン・ミン大統領、ネピドー評議会のミョー・アウン議長の三人が被告席に座った。  弁護団のミン・ミン・ゾー弁護士は「”スーお母さん”は凛として元気そうだった」とスー・チー氏の様子について触れ、NLDについて「国民のために創設した政党なのだから、国民がいる限りNLDは存続すると確信している。国民の健康と安全を祈っている」とのコメントがあったことを明らかにした。  キン・マウン・ソー弁護士は「アウン・サン・スー・チー国家顧問がどこに軟禁されているのか、自身もわからないということだ。罪状が多いため、30分の接見ではまったく足りなかった」とコメントした。  次回の公判は、6月7日に行われる予定。