ミャンマー国軍司令官が経済の立て直しに関して経済界代表者と協議、総選挙の実施時期についても言及

 2月4日発行の国営新聞「Myanma Alinn」によると、国家統治評議会議長のミン・アウン・フライン国軍最高司令官が2月3日に行われた経済界代表者との会議に出席し、ミャンマー経済の立て直しに関して協議を行ったことがわかった。  同紙の報道によると、会議には国家統治評議会議長のほか、副議長、委員、事務局長、ミャンマー商工会議所連盟会長、副会長、事務局長および連盟傘下のミャンマー豆・ゴマ商人協会、ミャンマー金業協会、ミャンマー青果物生産・販売業協会、ミャンマー燃料輸入・販売業協会、ミャンマー建設業協会、ミャンマー観光業協会、ミャンマー宿泊業協会の代表者が出席した。  ミン・アウン・フライン国軍最高司令官は、様々な事情により政権を掌握したこと、民主主義の基本原理から逸脱することなくこれまでの事業を継続していくこと、外交政策に変わりがないこと、有権者名簿の不備・不正について引き続き調査し発表すること、新たな総選挙を行うための準備を行うこと、新型コロナウイルスの感染拡大により停滞している経済を復興させることなどについて言及した。  また、非常事態宣言の解除後6か月以内に総選挙を行うという憲法の規定に従うとして、やり直しの総選挙の時期についても言及した。

ヤンゴン市内の状況【動画・写真】

ヤンゴン市内のNLD本部では、警戒した様子や人だかりは無く、静かだった。 ヤンゴン市内のスー・チー邸前。警戒した様子や人だかりは無く、静かだった。 ヤンゴン市役所の庁舎では、警察車両が止まっているものの、特に変わった様子は見られなかった。 マハバンドゥーラ公園の民主記念塔。新型コロナウイルスの影響で入場が規制されていたこともあり、公園外も人は少なかった。 シュエゴンダインの旗ショップ。 店員によると、NLDの旗を多く取り扱っていた店に軍関係者が急に訪れ、NLDの旗を奪い店前の高架下で旗を燃やしたという出来事があったという。多くの店は軍関係者が押し寄せることを恐れ、NLDの旗は店の前には出さずに店内に隠したとのこと。 コロナの影響で封鎖されているシュエダゴン・パゴダ。クーデター以前は、入口の前でお祈りをしている人々を多数見られたが、 現在はそのような光景は見られなかった。 ミャンマープラザでは、グランドフロアにあるショップのほとんどがクローズ。 昨日より店各自の判断によりクローズを始めたとのことで、いつオープンするかも店次第で未定とのこと。 カンターヤーセンターのマーケットプレイス。入場規制や買い溜めもなくなり、いつも通りの様子に。 しかし、20時を過ぎた頃から、急に外を通るの車たちがクラクションを鳴らすなど、かなり騒々しくなった。昨日までには見られなかった光景で、スー・チー氏の拘留に対する市民による抗議行動の一つと思われる。(ヤンゴン・ダウンタウンにて。動画の音量にご注意ください) (全て2021年2月3日に撮影)

ミャンマーのクーデター、国軍はなぜ不正選挙を指摘したのか

国軍が指摘する選挙の不正について  ミャンマー国軍がクーデターを起こした理由として総選挙で不正があったと繰り返し指摘していたが、その内容はどのようなものだったのかを解説する。  国軍の指摘は、主に選挙人の有権者名簿に不正があったことに集中している。例えばA郡区に“山田太郎”の名前と身分証明番号があり、B郡区にも同じ名前、同じ身分証明番号があり、さらにC郡区にも同姓同名、同じ身分証明番号が登録されていることを指摘している。つまり、これらの重複が1,000万件以上あると主張しているのである。  今回の総選挙でどのような技術を使って集計したのかは公表されていないが、実は国軍が指摘しているこのような重複があるのは事実である。     不正は本当にあったのか  では、なぜ有権者名簿にこのような重複が発生するのか。  それは、ミャンマーには日本の戸籍に似た「住民登録家族リスト」なるものがあり、例えばヤンゴン市内の郡区に世帯を持つと、世帯主とその家族全員が登録される。  しかし、その家族の中で息子の… 続きを読む >> (全文をお読みいただくには「プレミアム会員」のご登録が必要となります)